けもののるつぼ

獣医学生がゆるーく執筆。獣からケモノまで、動物に関するコトなら何でもありの雑記帳です。

獣医解剖学その1-上下左右?

解剖学シリーズと題しまして、第一弾は相対的な体の位置や方向の呼び方についてです。

昔はよく父親にマッサージをさせられたものです。「あ~そこじゃない、もっと上、いや行きすぎ、もうちょっと下…そこ!」とか言って指圧して欲しい場所を教えてくるんですよ。

ここでちょっと考えてみてください。うつ伏せでこちらに背を向けている人が「上」と言ったら間違いなく「頭側」を指していますよね。しかし、ブリッジをしている人が「上」と言ったらどこを指しているのでしょう?「腹側」?それとも「頭側」?ハッキリしませんよね。上下左右というのは主観に基づいた相対位置の呼び名なのです。

そこで解剖学では「背側(はいそく)」「腹側(ふくそく)」「頭側(とうそく)」「尾側(びそく)」という呼称を用います。百聞は一見に如かずということで馬のイラストを用意しました。カラーアトラス獣医解剖学上巻を参考にしています。へたくそですみません。(下につづく)

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(つづき)

まず、頭から尾にかけて背骨が通っていますが、より頭に近い方を「頭側」遠い方を「尾側」といいます。そして体幹において、背骨が通っている側を「背側」その反対側を「腹側」といいます。これなら客観的で間違えることはありませんね。

他にも「近位―遠位」「内側―外側」「背側―底側」「背側―掌側」など相対的な位置関係を元にした呼び名が解剖学では用いられます。正中面というのは背骨のラインを通る地面と垂直な面、つまり左右に真っ二つにする面です。矢状(しじょう)断面とは正中面に平行な断面のことです。位置や方向をあらわす用語はまだまだありますが今回はここまで。

最近は「腹側」のメタボに加えて「背側」にもお肉がついてきて悩みの種になってます。おすすめのダイエット方法があれば教えていただけませんか?ではまた